BTCC 週間注目ニュース(8月11日~8月17日):米CPI鈍化で利上げ圧力が後退、ビットコイン・トレジャリー戦略と米国債利回りに再び試練
BTCC著者: furrykon
先週の暗号資産市場は、上値の重いもみ合いが続いた。米国の7月消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%へ鈍化した。先に発表された雇用統計の減速と重なり、9月の利上げに対する懸念が和らぐなか、ビットコインは6万4,000ドル付近を維持した。ただし、マクロ面の圧力が完全に解消されたわけではない。米長期国債利回りは依然として高く、30年債利回りは5.2%を上回った後、市場が警戒する水準に近づいた。債券市場では引き続き、財政赤字、根強いインフレ、政策の不透明感が織り込まれている。
暗号資産市場では、物色対象が分散し、上昇の勢いを欠いた。BIP-110を巡っては、非金融データのオンチェーン記録、Ordinals、ブロックスペースの用途に関する議論が続いた。StrategyとMetaplanetは、MSCIが指数採用基準の変更を提案したことで売り圧力を受け、企業のビットコイン保有戦略を支えてきた指数連動資金と評価の論理が改めて問われている。
今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)の7月会合議事要旨、米小売・消費関連指標、米商品先物取引委員会(CFTC)イノベーション諮問委員会の初会合が注目される。暗号資産市場では、ビットコインが6万2,000~6万4,000ドルの水準を維持できるかが焦点となる。米国のインフレ鈍化が続き、日本の利上げ観測が世界的なデレバレッジを引き起こさなければ、ビットコインはレンジ内での持ち直しを続ける可能性がある。
注目ニュース振り返り
1.米7月CPIが鈍化、利上げ観測が後退
米国の7月CPIは前年同月比3.4%上昇し、6月の3.5%から鈍化した。前月比では0.1%上昇し、コアCPIは前月比0.2%上昇と、おおむね市場予想に沿った。ガソリン価格の下落が、住居費、医療費、航空運賃などの上昇を一部相殺した。発表後は米国債利回りが低下し、9月利上げを織り込む動きが大きく後退した。ビットコインは6万4,000ドル付近を維持した。
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解説: CPIの鈍化により、FRBが利上げを続けるとの短期的な懸念は和らいだ。ただし、金融政策の見通しを完全に変えるほどの内容ではない。3.4%のインフレ率は依然としてFRBの2%目標を上回っており、原油価格やサービス価格が今後の物価を押し上げる可能性もある。Goldman Sachsは、コアインフレが抑制されていることはFRBが9月に政策金利を据え置く根拠を強めたと分析した。ただし、次回FOMCまでに発表される新たなインフレ指標を確認する必要があるとしている。
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2.BIP-110を巡る議論が注目を集める
先週、ビットコイン・コミュニティではBIP-110を巡る議論がさらに活発化した。この提案は、Ordinalsのインスクリプションなど非金融データのビットコイン・ブロックチェーンへの書き込みを制限し、ブロックスペースを確保するとともに、一部の利用者が問題視する「スパムデータ」を減らすことを目的としている。しかし、強制シグナル期間の開始後も、BIP-110はマイナーやコミュニティから十分な支持を得られなかった。少数派チェーンは一時的に分岐して2ブロックを生成したものの、その後停止し、合意形成の基盤が弱いことを示した。
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解説: BIP-110の支持者は、ビットコインを決済用途に集中させることで、インフレ耐性と通貨としての性質をより明確にしたいと考えている。しかし、その考え方は、過去数年間にビットコインとブロックチェーンが歩んできた発展経路を事実上否定することにもなる。今回の提案が幅広い支持を得られなかったことは、ビットコインのガバナンスが、特定の開発者、マイニングプール、機関ではなく、分散型の合意形成に大きく依存していることを示している。
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3.Strategyの最近の動向に懸念
StrategyとMetaplanetは先週、再び市場の焦点となった。MSCIは新たな指数採用基準を提案しており、デジタル資産などの保有を主な事業とする「非事業会社」がグローバル投資可能市場指数から除外される可能性がある。また、Strategyが最近ビットコインの売却を続けていることも、ビットコイン・トレジャリー戦略の先行きに対する懸念を強めた。
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解説: JPMorganは、StrategyがMSCI指数から除外された場合、約28億ドルのパッシブ運用資金による売りが発生する可能性があると試算している。上昇の勢いを欠く現在のビットコインにとって、明確な悪材料となる。Reutersは以前、Jefferiesの見方として、暗号資産トレジャリー企業の指数採用資格を巡る議論はMSCIだけの問題ではなく、株価指数全体へ広がる可能性があると報じた。
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4.米国債利回りが歴史的な警戒水準に接近
米長期国債利回りは先週も高水準で推移した。Reutersは、30年債利回りが5.20%を上回り、10年債利回りも5%に近づいたと指摘した。長期金利の上昇は、根強いインフレ、財政赤字、FRBのインフレ抑制に対する信頼性への懸念を反映している。CPIが鈍化しても、長期債市場の警戒は完全には解かれていない。30年債入札の最高落札利回りも25年ぶりの高水準に達した。
解説: 米長期金利は、リスク資産の評価を左右する基準となる。10年債利回りが5%に近づき、30年債利回りが5%を上回り続ければ、株式と暗号資産は、より高い割引率と安全資産の利回りとの競争に直面する。ビットコインは短期的に、CPIの鈍化と追加利上げ確率の低下から恩恵を受ける可能性がある。しかし、長期金利が低下しなければ、市場は現在の流動性環境で新たな上昇局面を支えられるのかを問い続ける。米国債利回りが歴史的な警戒水準に近づくほど、リスク資産には評価調整の圧力がかかりやすくなる。
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5.日本銀行、早ければ9月に利上げか
日本銀行は、早ければ9月17~18日の金融政策決定会合で再び利上げする可能性がある。Reutersが関係者の話として報じたところによると、日銀は利上げペースの加速を検討している。中東情勢によるエネルギー価格の上昇、世界的なAI需要がもたらすインフレ圧力、円安の継続による輸入コストの上昇などが背景にある。市場では9月利上げを織り込む動きが大きく進み、日本の10年国債利回りも約30年ぶりの高水準に上昇した。
関連銘柄: USDJPY、JPN225
解説: Reutersの調査では、多くのアナリストが日銀は年内に追加利上げを行うと予想している。Bank of Americaはさらに強気の見通しを示し、来年7月までに4回の利上げを実施し、政策金利を2%へ引き上げる可能性があると予想した。日本の利上げ自体は、ビットコインにとって直接的な悪材料ではない。ただし、米ドル、円、米国債利回り、世界の株式市場が同時に大きく変動する場合、値動きの大きい暗号資産が最初に売り圧力を受ける可能性がある。
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