仮想通貨の分離課税はいつから始まる?課税対象や海外取引所の影響などを解説
2026年現在、仮想通貨の売却益などは雑所得、いわゆる総合課税として扱われます。
総合課税の場合、仮想通貨の取引で得た利益は他の所得と合算され、所得税5%〜45%+住民税10%の最大約55%の累進課税が適用されます。
このため総合課税のままだと高所得者ほど税負担が重くなります。
これが分離課税であれば、対象となる仮想通貨の利益を他の所得から切り離し、一律約20.315%、内訳は所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%の計算で課税されます。
分離課税の場合、仮想通貨の利益は株式やFXなどの金融商品と同等の扱いになり、負担が軽減されるのです。
そこで今回は、仮想通貨の分離課税が日本でいつ始まるのか、その対象や海外取引所での影響などを解説します。
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| 目次 |
仮想通貨の分離課税はいつから始まる?
仮想通貨の分離課税は、2028年1月1日以降の取引分から適用される可能性が高いです。
日本では、改正所得税法が令和8年(2026年)3月31日に成立、そして公布され、4月1日に施行されました。
ただし、分離課税の実際の適用開始はこれとは別に規定されていますので注意してください。
実際の適用開始の時期ですが、金融商品取引法等の改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡等から適用されます。
金商法改正案が2026年通常国会で成立し、2027年に施行された場合、 2028年1月1日以降がもっとも有力な時期になるでしょう。
それ以前の2027年12月31日までの仮想通貨取引は、現行の雑所得が適用されますので、2026年~2027年までは最大税率に注意しましょう。
仮想通貨の分離課税の対象は?
今回、対象になるのは「特定暗号資産」(金融商品取引業者登録のある業者で取引される現物・デリバティブなど)に限られるので注意してください。
金商法改正の国会審議次第でスケジュールが前後する可能性がありますが、2026年の現時点では2028年開始が最も有力な見通しです。
2026年〜2027年の売却タイミングは、現在の所得水準や価格変動を考慮して判断してください。
正確な適用時期や個別の取り扱いについては、税理士や国税庁の最新情報を確認することをおすすめします。
2026年現在の段階では、日本での仮想通貨の利益は雑所得に区分されます。

(画像出典:nta.go.jp)
分離課税は海外取引所への影響
今回の法改正では、海外取引所での取引は原則として分離課税の対象外となります。
つまり、総合課税のままです。
その理由ですが、分離課税の対象は「特定暗号資産」に限定されており、これは金融商品取引業者登録簿に登録された国内の暗号資産取引業者を通じて行われる取引に該当します。
そのため、海外取引所やDEXでの売却益は、対象外になるのです。
以上のことから海外取引所で得た利益は従来通り雑所得が適用されるでしょう。
分離課税の対象となるのは、主に国内登録業者を通じた現物取引やデリバティブ取引です。
仮想通貨を売却する場合の注意点
同じ仮想通貨でも、売却する場所によって課税方式が変わるので注意してください。
| 国内登録業者で売却 する場合 | 海外取引所やDEXで売却 |
| 分離課税 | 総合課税 |
そのため、海外取引所で買った暗号資産を国内業者に送金してから売却すれば、分離課税が適用される可能性が高いです。
どこで買うかより、どこで売却をしたのかが重要になります。
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分離課税にならない可能性は?
分離課税にならない可能性は、現時点では極めて低いです。
そのため仮想通貨の分離課税はほぼ確実に始まると期待して良いでしょう。
現在の状況ですが、改正所得税法はすでに成立し、公布済みで、分離課税と損失の3年繰越控除の枠組みは法律として確定しています。
金商法改正の大幅遅延
日本では、投資家保護のための法整備を優先しており、これが理由で国会審議で大幅に遅れれば、適用開始が2029年以降に後ろ倒しになる可能性はあります。
ただし、制度自体が消滅するわけではありません。
遅延するリスクはあっても分離課税の制度そのものがなくなるリスクはまずないでしょう。
現実的な見通し
現時点の見解では、2028年適用に向けた準備が着実に進んでいるというのが主流です。
中止や完全撤回の話は出ておらず、むしろいつから適用されるか、対象範囲はどうなるか、などが議論の中心です。
結論としては、分離課税が実施されないリスクは非常に低いのですが、遅れる可能性はあります。
ただし、海外取引所など非特定取引は対象外のままになる点は変わりません。
仮想通貨の分離課税は海外取引所への影響
分離課税導入後も、海外取引所での利用は原則として総合課税のままで、税負担が重くなる可能性が高い点に注意が必要です。
以下では、海外取引所を利用する場合の対応策を解説します。
海外取引所を利用する場合の対応策
まず、海外取引所にある資産は国内取引所へ移管して売却するのが現実的におすすめです。
国内取引所で売却すれば、分離課税の対象になります。
注意点は、送金手数料、為替リスクなどで、送金時には取引所の入出金制限などを必ず確認してください。
特に高額の送金は税務署に捕捉されやすいので、必ず確定申告しましょう。
海外取引所を使い続ける場合
この場合、総合課税になるので税率は変わらず高めのままです。
高所得者ほど不利な扱いになりやすく、損失が出ても分離課税対象の利益と通算しにくい可能性があります。
ただし、海外取引所はレバレッジの高い短期トレードや草コイン投資の分野で有利ですので、税負担を考慮しても利益がある場合は継続して利用しても良いでしょう。
一方で、ビットコインの長期保有をするだけなら国内取引所のほうが税負担が軽いので有利です。
投資スタイルに合わせて海外取引所を継続するか、国内取引所に移管するかを判断するのが最善です。
分離課税開始前(2026年~2027年)に仮想通貨を売却するべき?
分離課税開始前(2026年〜2027年)に売却すべきかは、個別事情によります。
仮に含み益が大きい場合、基本的に待った方が有利です。
しかし、価格変動リスクや個人の所得状況によっては2026年~2027年の間に売却したほうが良いケースもあります。
以下では、分離課税開始の時期における売却のポイントを解説します。
分離課税開始前と以降の税率比較
以下は、分離課税開始前と以降の税率の比較です。
- 2026年〜2027年に売却:現行の雑所得 で最大約55%
- 2028年1月以降(国内登録業者で売却):分離課税 一律約20.315%。
税率差が非常に大きく、最大35%近くの差があるため、長期保有予定の含み益資産は2028年以降まで待つ戦略がベストです。
ただし、レバレッジ取引で高額の含み損を抱えているようなケースであれば、早急に決済をしたほうが良いでしょう。
利益がなく、赤字のほうが大きい場合は2026年~2027年の間に売却をしても問題はありません。
2028年以降の仮想通貨売却が有利なケース
現在、仮想通貨取引の含み益が大きい高所得者の場合、売却は2028年以降が有利です。
今後価格がさらに上がる見込みがある通貨を多く保有する人や、急いで現金化する必要がない人ほど、2028年まで待った方が良いです。
2026〜2027年に仮想通貨の売却を検討した方がいいケース
2026年現在の暗号資産の利益が低く、税率が20%前後以下の場合、2026年~2027年までに売却したほうが有利です。
特に、現在保有する暗号資産の価格が高値圏で、今後下落リスクするが高い場合、税金より損失の拡大を優先して損切りするべきでしょう。
他にも、雑所得と通算可能で2027年までに売却したほうが有利な場合は、2028年まで待たずに売却したほうがベストです。
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分離課税の確定申告の注意点
2028年以降の分離課税開始時の確定申告では、以下の点に特に注意が必要です。
株と違い、仮想通貨の税金は原則として自分で計算し、申告しなければなりませんので、事前に準備しておきましょう。
対象判定のポイント
課税の判定ポイントは、特定暗号資産を国内登録業者(金融商品取引業者登録のある取引所)を通じて譲渡した場合のみで、この際に分離課税(20.315%)が適用されます。
海外取引所ではなく、国内取引所であることが重要なポイントです。
そのため分離課税の確定申告をする場合、海外取引所にある暗号資産は一旦国内取引所へ送金してから売却してください。
確定申告手続きの主な注意点
利益がある場合、必ず確定申告が必要です。
計算書の作成方法ですが、国税庁が定める様式の「暗号資産に係る譲渡所得等の計算書」などを使い、取得原価を計算してください。
確定申告の必要書類
確定申告の手続きには、以下の書類が必要です。
- 国内業者の年間取引報告書(業者から1月31日までに交付・税務署提出義務化)
- 確定申告書B + 第三表(分離課税用)
- 海外・DEX取引がある場合:別途総合課税部分の計算書類
海外やDEXの取引がない場合は3番目の書類は不要です。
書類は国税庁の公式サイトより入手が可能です。
移行期(2027年まで)の留意点
2027年分までは現行の総合課税(雑所得)で申告してください。
2028年1月1日以降の譲渡分から新制度適用されるので注意しましょう。
年を跨ぐ取引、例えば2027年取得、2028年売却の場合、譲渡時点が判定の基準になります。
| 取引が発生した年 | 課税方式 | 申告時期(翌年) |
| 2027年まで | 総合課税(雑所得) | 2028年2/16~3/15 |
| 2028年以降 | 申告分離課税 | 2029年2/16~3/15以降 |
確定申告をする場合のアドバイス
実際に確定申告をする場合、e-Taxの活用をおすすめします。
マイナンバーカードやICカードリーダーなどがあれば自宅からの提出が可能です。
期限を過ぎると無申告加算税などがかかる可能性あるので、必ず遅れないようにしましょう。
特に損失繰越は期限内申告が条件になる場合が多いです。
取引量が多い人は、1月中に取引報告書を揃えて計算を完了させるのが理想です。
申告時期自体は変わりませんが、制度開始初年度(2028年分)は国税庁の通達やFAQが追加で出る可能性があります。
最新情報は国税庁ホームページや税理士に確認してください。
個別の状況は必ず専門家に相談しましょう。
仮想通貨の分離課税に関するよくあるご質問
Q1: 仮想通貨の分離課税はいつから始まりますか?
仮想通貨の分離課税は、2028年1月1日以降の取引分から適用される可能性が高いです。2026年の改正所得税法はすでに成立していますが、実際の適用開始は金融商品取引法等の改正施行日の翌年からとなるため、2028年からの開始が有力な見通しです。
Q2: 分離課税の対象となる仮想通貨取引はどのようなものですか?
分離課税の対象は「特定暗号資産」と呼ばれ、金融商品取引業者登録のある国内の取引所を通じて行われる現物取引やデリバティブ取引に限られます。海外取引所やDEXでの取引は対象外で、引き続き総合課税が適用されます。
Q3: 海外取引所での仮想通貨取引は分離課税の対象になりますか?
いいえ、海外取引所での取引は原則として分離課税の対象外です。海外取引所で得た利益はこれまで通り雑所得として総合課税が適用されます。分離課税を適用するには、資産を国内取引所に移管してから売却する必要があります。
Q4: 2026年〜2027年に仮想通貨を売却するべきでしょうか?
含み益が大きい高所得者の場合は、分離課税開始の2028年以降に売却した方が税負担が軽減されるため有利です。ただし、価格下落リスクが高い場合や損失が大きい場合は、2026年〜2027年の間に売却するほうが良いケースもあります。個別の状況に応じて判断してください。
Q5: 分離課税開始後の確定申告で注意すべきポイントは?
分離課税は自分で計算し申告する必要があります。対象となる取引は国内登録業者を通じたものに限定されるため、海外取引所の資産は国内取引所に送金してから売却することが重要です。必要書類の準備や期限内申告を忘れずに行いましょう。
日本の分離課税まとめ
今回は日本の分離課税について、開始の時期や対象、海外取引所の影響などを解説しました。
すでに法改正が公布されていますので、遅延の可能性はあっても分離課税の制度がなくなることはまずないでしょう。
2028年には国内取引において分離課税が適用される予定です。
この2027年から2028年の移行期にかけて税率が変更されるので、時期に注意してください。
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