アスクルの株価は今後どうなる?下落理由や将来性を徹底解説

著者:c, dora最終更新日:

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アスクル株式会社は2025年10月19日、自社の基幹システムがランサムウェア攻撃を受け、全面的に機能停止したことを公表しました。

 

これを受けて株価は急落し、翌20日には前週末比で89円安(-6.02%)の大幅下落となりました。市場では、同社の今後の業績や株価動向に対する懸念が高まっています。

 

UBSは2026年1月30日時点で目標株価を1,420円としていましたが、3月4日には1,320円に引き下げ、レーティングは「Neutral(中立)」を維持しました。その後、3月30日にはさらに1,270円に引き下げています。(出典:https://researchdmz.ibb.ubs.com/)

 

2026年6月11日時点の市場コンセンサスでは、物流・通販関連銘柄への慎重な見方が続いています。例えば、同業のMonotaROに対しては欧州系大手証券が目標株価を1,960円→1,690円に引き下げており、物流セクター全体の評価が厳しさを増しています。

 

QUICK Consensusによると、アスクルの2026年5月期経常利益予想は2026年3月4日時点で-8,548百万円となっています(前週比-0.9%)。なお、第2四半期累計の経常損失は38億1,400万円でした。(出典:https://japanir.jp/)

 

2026年6月11日現在、アスクル<2678>の時価総額は約1,036億円です(*グーグルファイナンス調べ)。

 

そこでこの記事では、アスクルとはどんな会社なのか、その株価動向や、株価が下落した要因、今後の見通し・将来性を徹底解説していきます。

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目次

 

アスクル株式会社とは


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アスクル株式会社(東証プライム:2678)は、電子商取引および物流を主力とする企業です。法人向けオフィス用品通販サイト「アスクル」と個人向け生活用品ECサイト「LOHACO」を運営しており、いずれも日本国内で高い知名度を誇っています。

 

同社はLINEヤフー(旧Zホールディングス)傘下にあり、オフィス用品配送分野の先駆者として知られています。また、自社で物流ネットワークを構築し、効率的な配送体制を整備している点も特徴です。

アスクルの事業内容

事業分野 内容 特徴 / 詳細
電子商取引(EC)事業 法人向け「アスクル」および個人向け「LOHACO」を中心に、オンラインでオフィス・生活用品を販売 幅広い顧客層に対応し、安定した需要を確保
物流事業 自社で大型配送センターを運営し、受注から配送までを一元管理 効率化・自動化の推進により、物流コスト削減とスピード配送を実現

 

アスクル、ランサムウェアでシステム障害


アスクルは10月19日、社内システムがランサムウェアに感染し、業務が全面的に停止したと発表しました。

 

影響は法人向け通販サイト「アスクル」および「Soleil Arena」、さらに個人向けサイト「LOHACO」にまで及び、注文受付と出荷が即時停止。当日受注分はすべてキャンセルとなりました。

 

アスクルはその後、約73万9,700件の顧客情報や取引先データが流出したことを確認しました(内訳:法人顧客約59万件、個人顧客約13万2,000件、パートナー約1万5,000件、従業員・役員約2,700件)。(出典:https://securityaffairs.com/)

 

犯行グループ「RansomHouse」は盗んだデータを公開しており、企業の信頼性に対する懸念は一段と深刻化しています。

 

さらに、この障害は取引先企業にも波及し、アスクルが物流を担っていた良品計画が運営する「無印良品」のオンラインストアも、同日21時頃にサービスを一時停止しました。

(ソース:https://www.scworld.com/brief/askul-corporation-restores-operations-after-ransomware-attack-and-data-breach)

 

なお、アスクルの子会社であるアルファバーチェス(7115)は、自社の情報システムがアスクルから完全に独立しているため、直接的なシステム障害の影響は受けなかったと発表しています。

 

ただし、アスクルからの仕入高が総仕入高の6.3%を占めることから、一部の仕入に影響が出る可能性があるとしています。

(ソース:https://www.alphapurchase.co.jp/pdf/202510202.pdf#1#1)

 

 アスクルの最新業績と財務状況


アスクルの2026年5月期第2四半期累計(2025年5月〜12月)の連結決算によりますと、売上高は2,087億2,500万円で、前年同期比12.3%減(前年同期比87.7%水準)となりました。(出典:https://japanir.jp/)

 

eコマース事業を中心に業績が悪化したことで、利益面も取り下げられました。利益面では営業損失29億9,500万円(前年同期は60億2,800万円の営業利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失66億1,200万円(前年同期は37億3,900万円の純利益)と大幅に悪化しました。なお、この損失にはシステム障害対応費用として521億円の特別損失が計上されています。

 

ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響で大幅に悪化しましたことで、営業損失は29億9,500万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は66億1,200万円を計上しました(前年同期は37億3,900万円の純利益)。

 

2026年5月期(通期)の連結業績予想は取り下げられ、未定となっています。ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響により、業績見通しの合理的な算定が困難な状況となっています。

 

株主還元方針では、中間配当は無配となり、期末配当予想も未定に修正されています。配当に関する先行きは不透明な状況です。
 

アスクルの株価動向と株価の下落理由


アスクルの株価動き

2025年10月19日に公表されたランサムウェア攻撃の影響により、アスクル株式会社(東証プライム:2678)の株価は大幅に下落しました。

 

10月20日時点でアスクルの株価は前週末(10月17日)比で89円安(-6.02%)の1,387円まで下落し、年初来安値の1,382円に迫りました。

 

同社のシステム障害は事業の中枢を直撃し、株式市場では企業の信頼性と今後の業績への懸念が高まっています。

 

日本経済新聞朝刊は1月21日、アスクル株式会社が1月20日に個人向け通販「LOHACO(ロハコ)」を再開したと報じました。

*サービス再開の経緯

アスクルは2025年12月初旬からシステムの段階的な復旧を開始し、2026年1月20日に個人向け通販「LOHACO」を全面的に再開したと発表しました。攻撃発生(2025年10月19日)から約3ヶ月での全面再開となりました。

 

しかし、2026年1月に入って以来、アスクルの株価は下落トレンドに落ちました。

 

2026年3月30日、アスクルの株価は年初来安値1,051円まで下落しました。

 

アスクルの株価は2026年6月11日現在、1,154円で推移し、前日比2.12%下落しました

 

個人向け通販「LOHACO(ロハコ)」を再開

日本経済新聞朝刊は1月21日、アスクル株式会社が1月20日に個人向け通販「LOHACO(ロハコ)」を再開したと報じました。

 

報道によると、LOHACOは2026年1月20日に運用を再開しました。攻撃発生(2025年10月19日)から約3ヶ月での再開となりましたが、全面的な復旧にはさらに時間を要しています。

 

1月20日に注文した商品は21日に発送されると予想され、最速で翌日に配達が可能で、顧客は依然として配送日と時間を指定し、通常通りにショッピングができます。

 

アスクルの株価が下落した理由

株価下落の直接的な要因は、システムがランサムウェア攻撃を受けて完全に停止し、復旧の見通しが立っていないことにあります。

 

このシステム障害により、法人向け・個人向け双方の通販サイトで受注と出荷が一時停止、10月19日の注文はすべてキャンセルされました。

 

さらに、個人情報流出の可能性に関する調査が続いており、企業の信頼性低下への懸念が投資家心理を一層悪化させています。

 

こうした不透明感が売り圧力を強め、短期間で株価は大きく値を下げました。

 

アスクル(T.2678)株価の概要・基本情報

英語名 ASKUL Corporation
日本名 アスクル(株)
ティッカー 2678
市場名 東証プライム
設立年月 1963年11月2日
上場年月日 2000年11月21日
代表者名 吉岡 晃
株価* 1,154円
時価総額* 1,036億円
発行済株式数* 89,771,300株
従業員数(連結) 3,697人
年初来高値* 1,435(26/01/07)
年初来安値* 1,051(26/03/30)

*2026年6月11日時点、みんかぶ調べ

 

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アスクルの株価は将来性ある?今後の見通し


■ 短期的には厳しい局面、利益率の圧迫続く

ランサムウェア攻撃発生前の2026年5月期第1四半期(2025年5月〜8月)には営業利益10億5,300万円(前年同期比59.1%減)でしたが、第2四半期(9月〜12月)に入り攻撃の影響が表面化し、29億9,500万円の営業損失に転落しました。

 

2026年5月期(通期)の連結業績予想は取り下げられ、未定となっています。ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響により、業績見通しの合理的な算定が困難な状況です

 

この利益悪化の主因は、2025年6月に稼働した関東配送センターの高額な固定費にあります。

 

短期的には収益性の改善が難しく、今後1〜2年は「売上増・利益減」の状況が続くとみられます。

 

■ サイバー攻撃が業績・信頼に打撃

今回のランサムウェア攻撃により、中核事業であるECシステムが全面停止しました。

これにより、株価は発表翌日までに6%以上下落し、時価総額の約6%が失われた計算となります。

 

また、顧客情報流出の有無が今後の信頼回復の鍵を握ります。もし個人情報漏えいが確認された場合、ブランドイメージや顧客離れの懸念が一層強まる可能性があります。

 

同社がどのようにセキュリティ体制を再構築し、再発防止策を打ち出すかが、今後の企業価値を大きく左右するでしょう。

 

■ 物流投資の成果が中期戦略の成否を左右

アスクルは中期経営計画の一環として、関東配送センターを成長戦略の中核拠点と位置づけています。

 

この施設は短期的にコスト増要因となっていますが、長期的には効率化と配送スピードの向上が期待されています。

 

会社側は年間売上高5,000億円の達成を目標に掲げており、この投資が成果を上げるかどうかが事業回復のカギとなります。

 

また、減益予想の中でも1株あたり38円の配当維持を発表しており、キャッシュフローの安定性と株主還元の両立を目指しています。
 

アスクル今後の株価予想


アスクルの株価は短期的に下値圧力が続くと予想されます。10月17日の終値から6.02%下落し、1,387円まで下落した現状では、年初来安値圏での推移が続く可能性があります。

 

業績予想では営業利益の21.5%減、純利益の77.7%減が見込まれており、業績面での不透明感が反発の重石となっています。

 

アナリストのコンセンサス目標株価は約1,300円前後で、現在株価から約14.3%の上昇余地があるとされていますが、評価は「中立(Hold)」が大勢を占めており、楽観的な見方は少数派です。

 

株価の今後を左右する最大の要因は、以下の3点になるとみられます。

■ システムの復旧速度

■ データ漏えいの有無と信頼回復策

■ 新物流拠点による効率改善の成果

 

これらが順調に進めば、年明け以降の株価反発も期待されますが、逆に復旧が遅れれば、さらなる下落リスクも否定できません。
 

アスクルの今後はどうなる?まとめ


今回のランサムウェア攻撃により、アスクルのシステム管理体制や事業継続性に対する懸念が浮き彫りとなりました。短期的には、システムの復旧状況や顧客データ保全に関する情報開示が市場の焦点となります。

 

物流ネットワークの再稼働に時間がかかる場合、2026年5月期の業績にさらなる下方圧力がかかる可能性もあります。

 

株価は10月20日時点で6%以上の下落を記録しましたが、今後の復旧スピードや再発防止策の公表によっては、中長期的な株価回復の可能性も残されています。

 

BTCCのホームページでは、今後もアスクルの株価に影響を与える最新ニュースや法整備に関する注目情報、株式相場全体の動向などをお届けしていきます。今後も参考にしていただければ幸いです。

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よくある質問

アスクル株式会社は、2025年10月19日に自社システムがランサムウェア攻撃を受けたことを公表しました。
この攻撃により、主要な業務システムが全面的に停止し、受注や配送サービスが中断しました。さらに、多くの顧客の個人情報が流出した可能性があるとして、深刻な懸念が広がっています。
今回のサイバー攻撃により、法人向け通販サイト「アスクル」と個人向けECサイト「LOHACO」の受注処理および発送業務が全面的に停止しました。 同社は10月19日に受け付けたすべての注文をキャンセルする方針を発表しており、提携先である無印良品などのEC機能にも影響が及びました。
ランサムウェア攻撃の影響を受け、アスクルの株価は10月20日時点で前週末比89円安(下落率6.02%)の1387円まで下落し、年初来安値に近づきました。 この大幅な下落は、企業の信頼性低下と短期的な業績への懸念が市場に強く意識された結果と考えられます。
アスクルの2026年5月期第2四半期(2025年9月〜12月)の連結決算によりますと、売上高は2,087億2,500万円で前年同期比12.3%減となりました。eコマース事業を中心に業績が悪化したことで、利益面も取り下げられました。
2026年5月期(通期)の連結業績予想は取り下げられ、未定となっています。ランサムウェア攻撃によるシステム障害の影響により、業績見通しの合理的な算定が困難な状況となっています。
欧州系大手証券が3月3日、アスクルのレーティングを中立(Neutral)に据え置きました。一方、目標株価は1,420円から1,320円に引き下げました。
株主還元方針では、中間配当は無配(0円)となりました。前年同期は19円の配当を実施していたことから、大きな減配となります。期末配当予想も未定に修正されており、通期での無配となる可能性も否定できません。
短期的には、システム復旧の進捗状況や情報流出調査の結果が、顧客信頼とブランドイメージに直結する重要な要素となります。 中長期的には、新たな物流戦略によって効率性を高め、サイバー攻撃やコスト上昇の影響をどこまで打ち消せるかが成長のカギを握ります。

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